Flowe of life -Life is ART-

旅する絵描きの日々と想い。

【豪雨災害】ボランティアの役割を考える

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2018年7月

西日本で起きた、豪雨災害。

悲惨な状況。
テレビの向こう側は、遠いようで近い。
SNSで流れてくる、“ボランティア募集”の文字。


『力仕事は苦手だな』

『自己満足や偽善でしたくない』

熱中症感染症が心配だ』

『現地まで行く費用や方法は?泊まる所はあるの?』

『誰に、何処に連絡すればいいの?』


“行きたい”気持ちと同時に、
こんな疑問や心配をした人は少なくは無いだろう。



でも、



『何かしたい』

『自分に出来る事はないだろうか』

『時間はあるから動きたい』

『お金はあるから寄付したい』

『時間もお金も無いけど何かしたい』


心配事が多々ある中、
そんな想いを持った、沢山の方々へ。



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私が訪ねた、“被災地”、“被災者の方々”

そして、私が感じた、“ボランティア”とは。


それを、綴らせて頂きたいと思います。





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日本で災害が起きる度、被災地に行って
手助けをしている友人〈おーちゃん〉がいる。


その友人に連絡をし、私は、ボランティアセンターの支部である【下有井サテライト】に配属された。


汚れても良い服と靴。
熱中症感染症対策の為に必要な物。
その他、必要最低限の物をリュックに詰めて。


災害が起きてから約2週間後。
川が決壊した事で被害が深刻な、岡山の【真備】に辿り着いた。



何をするのかも具体的に知らないまま、ただ、想いだけで動いた。そんな人も少なくは無いらしい。


南米を旅した後、ちょうど一時帰国したタイミングで起きた災害。時間的余裕のある自分が、動かない理由はなかった。


自身、災害ボランティアは初めてだった。
振り返ると、様々な理由があるのだが
今回行動に出られたのにはキッカケがある。


つい最近、地元である大阪北部で地震が起きた時、友人〈おーちゃん〉が災害支援に来てくれていた事が、本当に本当に、心強かったからだ。

その感謝もあり、自分に出来る事があるならと、行動させて貰えた。


誰しもが、そう言う環境にいる訳ではない。


『仕事』がある
『子育て』がある
『介護』がある
『身体の不自由』がある
『心の健康』がない
『金銭的余裕』がない
『時間的余裕』がない


それぞれの事情がある。
行きたくても行けない人達”がいる。


そんな中、今回ボランティアに行けた事は有り難いこと。


いつか、また、どこか大切な人のいる場所や、地元で大きな災害が起きた時の為にも、どうしても【経験】し【学び】たかった。


そして、それが自分の今後の人生において、絶対に必要だと確信した。



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想像していたのは、体力仕事だけ。
土や泥、家具などを運んだり片付ける泥臭いイメージ。


しかし実際は、ボランティアセンターに集まったボランティアさんを、必要な場所に、必要な人数行って貰い、必要な作業をして貰う様に、導く役割を担った。


流れを簡単に説明すると、


【1.現地調査でニーズを聞き出す】

【2.作業日程、必要人数を考え、必要な物資の準備、住所と地図の照らし合わせ等を行う】

【3.派遣されたボランティアの方々へ一日の流れを説明+熱中症対策を促す】

【4.場所、人数を振り分けて、現場に行ってもらう】

【5.活動報告を受け、次回に繋げる】



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ー女手は必要ない?ー


A.全く、必要である。



大きな荷物運び以外にも、水害により汚れた家の掃除をするのは、細かい部分はもちろん、女性性が生かされる場面が多々ある。


サテライトの運営も、電話応対、拠点の掃除や支援物資の管理、掃除、受け付け、ニーズ調査(被災したお家を一軒一軒訪ねて、困っている事を聞く)など、力仕事以外がほとんどだ。


男女、で分けるのは好きじゃないけれど
ここに来て、それぞれの役割を上手く生かして組織を円滑に動かす重要性も学んだ。


男性が、得意な事をする為に
女性が、出来る事をして支える。


力仕事が得意な女性もいるし
逆に力仕事が苦手な男性もいるから
100%言い切れないけれども、
そうやって、サテライトは機能していた。


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毎日、ミーティングがある。
報告し共有し、迅速に対応する為にも、とても必要な事。
一刻を争う状況。少しでも早く、何か出来る事を、自ら探し取りに行く連続。



短期のボランティアも、長期のボランティアも、それぞれの役割があって、それぞれ無くてはならなくて。


1日だけしか居れないから、あまり役立たないって事は絶対になくて。
その1日の、1人1人の力が合わさって、大きな力になる。




長期でいると、何度も伺ったお家の方と、顔見知りになっていく。

「今日、○○さん家よろしくね!」

と言えば、サテライトのメンバー全員が住所を把握している場合もある程だ。



顔、名前、住所を知った
昨日までの“他人”は今日では“知り合い”。
人と人の距離なんて、一瞬で変わる。

被災した家の前で、様々な会話をして
何度もいたたまれない気持ちになる。

『ありがとう』

そんな言葉を幾度も貰い、これまた
何とも言えない感情になった。

余裕がないはずなのに、、冷たい飲み物を用意して渡してくれる家が多く、
人間のあたたかさ、大変な時こそこうやって
相手を労り、支え合って行くのだと
そうやって支え合って生きてきたのだと
実感させてもらった。




途中、台風の影響で、ボランティアセンターが閉まった事により、作業人員が確保できず、サテライトのメンバーだけで活動する日もあった。


人が、足りていない。
台風の影響で状況が悪化するのではという不安。
まだ、出来る事があるのでは。


様々な感情が湧き、4泊の予定が、7泊に。
それでも、心配は尽きないし、
もっと、出来る事はあると思う。
時間が許す限り、此処で何かしたい。
そんな気持ちが湧いて出る。


そう思わせる理由は何だろう?




【明日は我が身】


同じ地球で生きる人間。
他人事じゃない。


【皆の想いはひとつ】


だから、生まれたチームワーク。


少子高齢化


被災したお家のほとんどは、高齢者が住んでいた。作業が捗る訳がない。人手が必要だ。そして、これからもっと少子化する日本にはもっと『災害支援する文化』が根付く必要があると感じた。


テレビのニュースで、どう報じられていたとしても、実際は、現地に居る人が一番感じてる事、知っている事が、リアルで。


情報が溢れた社会だからこそ、
信頼出来る情報を、得られる力を持つべきだと思う。


現地に行かないとわからない事、
知りえない事が多くある。
被災した方々と、直接話して感じて。
自分のやるべき事、
できる事を探す日々。

少ないけど、
無力じゃない。
微力が集まれば、
大きな力になる。


色んな形の支援、応援があり
人の力×お金の力で、継続的な支援が必要だと感じた。


大切な地元や、仲間に何かあった時に
何か出来る自分になって帰りたい。
自分の手を、人を助けられる手にしたい。



時間が無くて、
お金が無くても、
信頼できる情報を拡散したり、
持っている知識を生かして、
手を貸す事って出来ると思った。




『ボランティア』と一言で言っても
その真意は、可能性は、方法は無限だ。


それぞれが、それぞれの出来る事を見出し
出来る範囲で、出来る時にやる。


『なにかしたい』
と言う気持ちだけあれば、いいと思う。
それは、愛であり、
巡って行くと思うから。


大切なのは他人事だと思わない事。
また、周りの目を気にして
判断したり、やめる必要はないと思う。
逆に、周りの目を気にして、やる必要もない。


その時、そこに生まれた、その気持ち。


それを、大切にすると言う事が
行動に、未来に、繋がるんだと思う


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(マッサージ師さんの施術、コーヒー炊き出しのイベント)


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(看護師さんが作ったマニュアル、引き継ぎにも活用)


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(簡易の無料美容室)


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(今回、下有井サテライトを運営するに当たり、一番に声をあげ動いた代表の旅商人、亮章くんにもすごくお世話になりました)


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みんな、生きていて。
同じ人の人生で、同じ人間で。

亡くなった家族がいて、
壊れた家や家具もその一つで、

とてもとても、デリケートな問題で。

でも、上を向いて前を向いて
歩いていかなければいけなくて。

2階まで水に浸かった家を目の前に
泥だらけのぬいぐるみや、壊れた家具
土砂だらけのアルバムを手に
涙や溜息がこぼれても。


それでもかけがえのない命はそこにあり
それは絶対に守らないといけない。


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物にも、命は、宿る。

そこに『ありがとう』をして
時には『さよなら』をして

失った物の中に
得られた事を見出して
強く生きないといけないんだろうな。


多分、自分が思うよりずっと
ずぅっと辛い事で
悲しい事も沢山あって


想像出来ない部分も多くある。


けど、私達は生きなくてはいけない。


立ち止まっていられない時もある。



だから、
だから、手を取り合う必要がある。




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(下有井サテライトの仲間。毎日入れ替わり立ち代わり、支援者が集まる)


何かあった時、方法を知っている強さ。
助け合える仲間がいる、強さ。
『助けて』って言える、強さ。




全国に、経験のある人間が増えれば、災害時、もっと強い日本になる。

何かあった時、どこからでも飛んで来る仲間。

そして、どこへでも飛んでいける自分へ。




『ボランティア』と言う言葉が無くなり
もっと身近で当たり前な『文化』になるように。