Flowe of life -Life is ART-

旅する絵描きの日々と想い。

【ヴィパッサナー瞑想】ー前編ー

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(この記事は去年の7月に書いたものです。
書き直そうか悩みましたが、この時の感情を残しつつ
少しだけ加筆して投稿する事にします。)



ご無沙汰しております!


旅する絵描きこと、千尋です!

最近、奈良のゲストハウスで英語と経営の勉強を
始めさせて頂いたところです^^



新しい環境に飛び込むのはいつも
ワクワクと少しの不安が入り混じる。
でも、動いた瞬間!不安は消える^^
いつでも、何でもそうだった。
だから私にとって、
「まず行動する!」って事はとっても大切。


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2019年の5月8日から19日まで、
京都の山奥である『修行』をして来ました。


その名も「ヴィッパサナー瞑想(めいそう)」

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【10日間、誰とも口をきけない。
誰とも目を合わせてはいけない。
いかなるコミュニケーションも禁じられる。】

※携帯電話はもちろんの事、本や筆記用具
音楽プレーヤー、お守り、貴重品等、
ほとんどの私物を預ける。
手元には、着替えと生活用品のみ。


簡単に説明すると、
「物事(の本質)をあるがままに見る」
「いかなる時も(心の)平静を保つ」

為の、練習。


心と身体に起きるすべての感覚・経験を通して
「すべては無常(変化するもの)である」
と言う事を理解するものでした。


(う~ん、言葉で聞いてもピンと来ないかも。)


私がこの瞑想法を知ったのは24歳で、
旅を始めた頃。
様々な経験談・感想を聞いて、興味はあるものの
いつかタイミングがあるはず!
と、その時を待っていました。



今回、ニュージーランドから帰国してすぐ
ほぼ直前にキャンセル待ちの予約をして
当日!
ラッキーな事に「枠が空いた」との連絡が。



諦めずに連絡してよかったなという気持ちと
導かれている様で本当に嬉しくて有り難くて
神社へお礼参りに行ってから、
施設に向かいました。


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結果から言うと、
「本当に行ってよかった!」
と、心から思います。



その理由は、
「今まで幾度となく向き合ってきた、過去のトラウマやコンプレックスを根絶できた(根絶する為のヒントを得た)から。」


今でこそ「いい思い出」だけど
この日までの私の心は「死にたい」「消えたい」
時折浮かぶそんな感情に、長年蝕まれていた。



これから、
実際に私が体験した10日間の感想を
順を追って記述していこうと思います。




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瞑想を始めた、初日


瞑想がうまくいかず、睡魔に負けていてばかりいたのに
食べる物を奉仕して頂ける有難みで、涙が出た


手放す程に気付く。
恵みに愛に”生かされている“事実。

“生きてる”なんておこがましくて言えない位
私はたくさんの人・物・事のお陰で生を保っている。



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2日目


少しずつ集中し始めたものの、浮遊感や
身体から離脱している感覚が強く、指導者へ相談に行った。



それは良い状態ではなく、現実を見なければいけないと言われた。
「呼吸だけに意識を集中しなさい」と。


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3日目は、指先が緊張で硬直する事に、違和感を覚えた。


過去を思い返し、未来を想像し、“考える事”がやめられない。
いかに自分の集中力が弱いかを知った。



覚えているのは、恐怖心。
「怒らないで」
理由や本質も分からないまま、幼い心に
生まれてこなければ良かったと思う程の言動が降りかかる。
殴らないで。怒鳴らないで。。



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4日目


瞑想中に、泣いた。


脳裏をめぐる過去の記憶から、
様々な感情が表面に出てきて苦しかった時


「すべては変化する」


その一言で、涙が止まらなくなった。

どの経験もあの痛みも、すべて“過去”のもの。今じゃない。


苦しい思い出を今まで持ったまま、
勝手に苦しみ続けていた自分でさえ
実は、この瞬間も無意識に、絶えず変化し続けている
ただ、自分がそこに固執して変化を認められなかっただけ。
何だ、こんなに自分を苦しめていたのは、
他の誰でもなく”自分”なんだ。


-そこにある固定概念が「コワイ」って構えていて
傷付くのが怖くて、先に傷つけた事もあった。
自分に都合の良い考えに落ち着く事もあった。
心を守る為にそんな思考が働くのは、弱い証拠だった。-



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5日目の夜は、眠れなかった。



そして、夜の講話


「すべては生まれ、そして消えていく」


そんな言葉にまた、涙した日だった。




ー苦しみはずっとは続かないー



頭では分かっていても、考えてしまうのは悪い”癖”。
身体の痛みや心の痛みは、執着する程辛くなるものだ。

表面的な頭での理解でなく、
経験を通して心の底と、身体で理解した。




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6日目は、体調不良。



「悪いものが出ている」とマネージャーに言われて
休み休み、瞑想を続けた。


これも変化するし、いつか消える。

実際、痛みを意識すると痛みは増したし
平静を保つと、痛みは減った。


このタイミングで体調不良になって良かった。
この環境だからこそ、
そんな事も冷静に気づけたのかもしれない。


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7日目も、体調不良は続いた。



京都の山奥。
夏とはいえど、朝晩は冷え込んだ。
恋人に借りたダウンが身体をあたためてくれる。


ヴィパッサナー瞑想は、
施設の敷地内に入った途端、男女が分断され
もちろん、コミュニケーションは一切禁止される。


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私は恋人(今の旦那さん)と参加してたんだけど
すぐ近くにいなくても
話せなくても、目が合わなくても


ただそこに”居る”だけで
安心や勇気を与え合う事はできるんだって、再認識。


旅をしている時、家族や友達が
日本で待っていてくれている事が、心強かった様に。


「信じる」気持ちって、強くてあったかい。



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8日目は、過呼吸になりかけた。



呼吸が整わず、集中できず、苦しかった。




ふと「自分いじめ」をしている気づきがあった。



ずっと「消えたい」と思っていた自分の謎が解けた。
それは、家族や友人の言葉でも誰の言葉でもなかった。



その事に執着して、
過去の思い出と一緒になって自分に投げつけていた
間違いなく、自分の言葉だった。



自分を傷つけていたのは、
守れなかったのは、
救わなかったのは、
他の誰でもなく
ずっと、自分だったんだと知った。



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9日目は、ラスボスとの和解。


昨日の気づきでスッキリした筈なのに、
どこか心に靄がかかっていた。


「何か一つ、心のしこりみたいな蓋になっているものが、いつも話していると感じる。ここ、触って欲しいんですって、デリケートな部分」
半年ほど前に、恩師に言われた言葉を思い出す。



心の奥底にいる、
インナーチャイルドの声に耳を傾ける。


「何が欲しいの?どうしたいの?」と問うと


いつもは出てこないのに
この時はすぐに、返事が返ってきた。


「安心したい」と言う答え。


ハッとして、また涙が流れた。
ずっとずっと探していた、自分の心の奥底の願いと声。



不安定な環境で育ち、
心の傷が癒えないまま大人になった。
※もちろん全てが環境のせいではないけれど



自己肯定感も低く、劣等感が強かった。
人に嫌われるのが怖くて、本音が言えず
頑張らないと、いい子にしてないとダメだと思ってた。


「認められたい、愛されたい」気持ちと、
不安と不信が人一倍強かった。


高校生の時から突発性難聴が癖づいて、
左耳が聞こえにくくなった。
社会人になってからは
過呼吸パニック障害摂食障害や躁鬱と戦った。


何が原因なのか、どうすればいいのか、
理由や解決策をずっと探していた。


どれだけ勉強して知識を頭に入れても、
人に相談しても、旅をしても
確信にたどり着けなかった確実な答えが
この”瞑想”を通して簡単に出た。



「安心できる環境(人間関係)で生きる」



もしかしたら、
そんな事今までどうして分からなかったの?と
不思議に思われるかもしれない様な答え。


だけど私はずっと、それが分からなかった。
そして、それが一番必要なものだった。



自分を認めたくて愛したくて、
認められたくて愛されたくて
描く未来を目指し続けた。
行動し続けた。
様々な挑戦をした。




いろいろな事を試して少しずつ分かってきたけど
最後までほどけなかった固く縛られた糸は
ビックリする程に、この瞬間するすると解けて行った。


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ここまで読んで下さり、ありがとうございます^^



長くなるので、10日目以降は後編へ続きます!


あくまで、私個人の経験と感想です。
苦しみは比べるものではないけれど、
もっと苦しい思いをしてきた人もいるだろう中
私と同じ様な経験をした方や、
同じ様な気持ちになった事がある方に
おこがましくも、何か伝えられればと思い
少し勇気を出して、書かせて頂きました。


ー後編へつづくー